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雑感。思いのままに。 Whatever I feel like writing, I will.
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2008年05月19日01:18
よく、忙しいのはいいことだ、と言われるが、オレはちっともそれがいいこととは思えない。なんかそんな事を考えていたら、色々自分の中に湧き上がる思いがあり、それを書き記したい気分である。脈絡がない箇条書きだが、もしよかったら参考にされたし。

精力的に活動する事には良い事もある反面、悪いことも多分にある。もちろん心のゆとりがたっぷりあったから熟考に熟考を重ねた珠玉の作品が生まれるかといえば、そうは思わない。気力の充実と日々身の回りで起こる事の波長があり、それによって人間的不確定要素が、若干演奏に変化を及ぼすとは思うのだ。だから忙しくて色々な事に忙殺されていても、その波長がステージ上でうまくピークを迎えた時は、何か特別な物が自分のインスピレーションから生まれると思う。その波長がピークでなくても、演奏はもちろん楽しんでいることがほとんどなのだが。でなければ、こんな事やって生計を立ててない。

惰性で演奏をするのは聴衆に対する冒涜だ、なんてキレイ事は言いたくない。前も言ったように、演奏会とはアットホームな雰囲気の「一緒に時間を楽しみましょう。自分の作品を提供する対価は戴きますが、その分楽しめる時間が提供出来ることを願って私の時間と労力をみなさんに捧げます。なのでみなさんもこの環境を一番楽しむには、この雰囲気とアンサンブルしてくださいね」といったものであるから、聴衆の波長、テンションがイマイチ乗り切らない時もあれば、オレの波長、テンションがイマイチの時もあるのだ。

でも、演奏会に数字上のCPを求める事というのは、演奏者としても、聴衆としても、非常にイヤな事ではないか。「一期一会」とは表面上の「完璧」を求めることであって、もしそれが得られなかったらすなわち「客に対する冒涜」という意味合いを持つのか。だとしたら非常にそれは横暴な事ではないのか。そんな環境、風潮が音楽界を支配しているのなら、それは演奏者はイヤになるだろう。過去の芸術家、アーティスト達もその思い、葛藤を抱いてきただろう。その空間が自分の楽しめるものではなかったら人生にその縁はないだけであり、それぞれがお互いにとっての良縁を探せばよいだけである。もちろん、自分の世界に閉じこもらないだけの情報は常に集め、高いレベルの好奇心を持つことは大前提としてだ。

なんか、いかにも「常に質の高い物を提供するのがプロだ」「お客様の為にうんぬん」といったおざなりの言葉に疲れているのかもしれない。自分で考え、自分で感じて、それを人生の糧にしている人に自分の演奏会には来てほしい。

現在の音楽業界の煽って、売って、使い捨ててという風潮は嫌いだし、それを受け入れる側のミーハーな風潮も大嫌いだ。海外招聘アーティストの演奏を表面で聴いてハートマーク丸出しで、つたない通訳で本当にアーティストの発しているニュアンスが伝えられず、結果なんの変哲もない有名人サイン会に成り下がっている音楽イベントを積み重ねて流行を作り出しても文化なんぞにはならない。自明の理だ(まぁ、それでも自分で考えている人達がきちんとそこからもっと深いレベルで影響を受け、研鑽を積み、そして現在があるのだから、マイナス面だけではもちろんないが)。

地道に芸術を磨いて、文化の一環とせんという人間に対しての門戸の狭さにはしばし閉口する時もある。

よく誰かのCDを聴いているときに、一緒に聴いている人達の何気に発する言葉を流せないことがよくある。「ミスが多いですね」とか「あんまりピンと来ないですね」とか。本当にその作品を熟知し、熟考と吟味を知っている人間が琴線と触れ合わないという意味合いでそれを使うのはある意味しょうがないところもあるかも知れない。しかし、安易にそういう言葉を発する所に敬意はあるのか。それを「聴き手」というだけで、発する事はいいのか。そんな免罪符は誰も持っていない筈だ。自分の頭の中にあるうっすらとした既成観念をベースにその言葉を発しているのであったら不幸な事だ。オレが年を取るにつれ、「アーティストの好み」が無くなってきたのにはそういう理由があると思う。

「心の乱れ」「人生の路を歩む上での軌跡、大事な1ページ」に不本意な演奏も含まれているのかもしれない。しかし、不本意な部分が演奏にあったとしても、その時間、その人が生きているその時間には決してそれに対してその人達は不本意な思いは抱いていないと思う。フランソワやコルトー、スターシクが音をミスっていても、その芸術世界はまったく曇らない。



ははは。脈絡のない文。陳謝笑
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自己紹介:
現在東京を基点に世界各地で活動している音楽家、トランペット奏者。自らの信念を基に、日々修行と交流に生きる。
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